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キングのタマゴVol.7 萩山竜馬


NFLヨーロッパ特別強化選手に 選ばれたサムライ 未知なる環境が、自分を強くする!

◆PROFILE

萩山竜馬

RYOMA HAGIYAMA
1985年2月22日、大阪市生まれ。アメフト東北学生リーグ1部7連覇に貢献。05年にMVP、04、06年にはWRで最優秀オフェンシブバック賞を獲得。183センチ、83キロ。


世界へと羽ばたくチャンス 一歩一歩、焦らずにマイペースで

本誌が発売されている頃(注:3月13日)、果たして彼はどんな“成果”を残しているのだろうか。アメリカフットボールの米国プロリーグ(NFL)の下部組織、NFLヨーロッパのキャンプに参加した萩山竜馬、22才。ドレッドヘアを後ろに結い、口元にはヒゲ、精悍な顔つき。彼は昨年12月に行われたNFLヨーロッパのトライアウトで“特別強化選手”に選ばれたのだ。しかも東北学生連盟の選手としては初の快挙! 今回はキャンプ出発直前に会ったのだが、そのコメントは全く浮ついたところのない、実に真摯なものであった。
「認められればそれだけ長く、レベルの高い場所で練習ができる。可能性に賭けてひとつ、頑張ってみようと思います」

初めての土地で初めてのアメフト

大阪市生まれ。高校まで野球をやっていたが、一転、東北大でアメフトを始め、入部と同時にレギュラー獲得。ポジションは、パスの受け手であるWR(ワイドレシーバー)。何と40ヤード(約37メートル)走で5秒を切るスピードスターだ。
「ワイドレシーバーになったのは、野球をやっていたせいか、ボールをキャッチするのが得意だったんですよ。初心者なのに、アメフトはやってすぐに“自分にすごく合っているな”と感じた」
背番号は88。80番台はレシーバーに多いそうだが、由来を訊くと彼のお気に入りが付けていた。「インディアナポリス・コルツ」の名ワイドレシーバー、マービン・ハリソン。数々のNFL記録を塗り替えてきた勇士だが、堅実で派手なパフォーマンスをせず、気取りのない選手だという。萩山竜馬の場合は話してみると、どこか飄々とした味わいが魅力的。

NFLを日本でメジャーにしたい

「マービン・ハリソンは、体が小さくて親近感湧くんですよねえ。NFLヨーロッパとはつまり、NFLのマイナーリーグにして登竜門。世界各国の選手を集めてNFLのグローバリズムを図っているんです。実際、様々な国の選手が活躍すれば、アメフトの面白さも人気ももっと広がると僕も思う。NFLもメアメフト界のイチローモを探しているんですよ」

激しい闘志を胸に秘めて。彼の名は萩山竜馬。我が道をRYOMAがゆく。


photo by Emori Yasuyuki
江森康之・写真
text by Yukio Todoroki
轟 夕起夫