「修練のエルクハンティング」アナザーストーリー

KING6月号本誌に掲載されているランボー・地獄の特訓企画。登場してもらった、米国陸軍将校・飯柴大尉が米国内で始めた『エルク(大鹿)ハンティング』は、彼がランボーであり続けるために辿りついた修練方法だった。RAMBOを観てランボーになった男のもと、はたして編集者コミネはランボーになれたのか!?

1 準備

【写真左】
手に持つは、男の常備品コンドーム。 これからお楽しみではない。明日の準備だ。

【写真右】
ハンティングライフルの銃口にコンドームを被せる。銃身に塵、水などの異物が入った状態で撃つと、銃は爆発し射手は死傷する危険性があるのだ。
コンドームは必ずどんな時も付けよう!!

2 出猟

早朝4時。宿泊先のモーテルを出る。
ライフルは後部カーゴルームに照準装置のスコープが壊れないようにそっと乗せる。
ライフルが、狩猟の道具である、森林で自分を守る武器となる。海に出る時に救命胴衣と同じ。

3 徒歩移動開始

車で二時間移動して、大森林の中で徒歩で前進開始。
朝は、元気一杯、夢一杯。まさか、20-30km歩かされるとは思いもしない。
背後の緑色と比較するとオレンジ色の上着は目立つ。他のハンターからの誤射を避けるため。 まず、林道を歩き、エルクの痕跡を探す。

4 海岸にて

【左写真】
海岸に来るエルクを捜索中、先頭を行くコミネが何かを発見。 本誌の見開き扉写真に使われている写真を参照。 右奥に焼けた黒い大木が立っている。
それを立っている黒熊と見間違えたのだ。双眼鏡でそれを木と確認して、安心する。
常にビビり捲り。狩猟には逃げる獲物と来る獲物がある。逃げはエルクなどの鹿系。来るのは、黒熊、羆、クーガーなどは人間を食物と思っている方々。だから、怖いのである。ここでは動物も人間も獲物という立場で平等であります。

5 森へ

【写真左から】
先頭は地元ガイド。とにかく早足。斜面も藪もどこでも早い。飯柴大尉殿は平気で追走。だって、軍人歩兵ですもの。 コミネはどんどんと遅れていく。だって、一般人編集者ですもの。
この後、コミネは20mの斜面を滑落。骨折裂傷は無いが、ズボンが裂けて、下着がウ●●を洩らしたように土泥で茶色に染まる。

6 大藪へ

【写真左から】
「何でそんな濃い藪に行くんだよ?」
「だって、エルクが移動してるから」
と無駄な英会話をガイドと交わすコミネ。
 エルクの群れを急速追撃開始。三時間歩いた後に全速で走るんですぜ。無理じゃん。
写真中 雨でずぶ濡れではない。全部、汗だ。
寒いと思っての厚着が原因。一日で3-4kg痩せた。ダイエットが目的ではないのだが…。

【写真右】
休息時はとにかく休む。口数が少なくなっていく。そんな奴から死んでいくのだ。

7 最後は敗残兵。

銃は肩に担ぎ、とにかく遅れないようにして歩く。下を向いているのは、捻挫しないための用心。足首、膝を痛めれば終わり。大自然の中で歩けなくなった動物から死んでいく。
さらに滑落時に水筒を紛失。戦場カメラマンの横田氏から分けて貰える水が全て。環境は砂漠を彷徨しているのと同じ。
発汗が酷く、脱水症寸前。脱水症は吐き気が来て、動きが鈍くなり、呂律が回らなくなると死ぬ。葉っぱについた水滴を舐め、降る雨を飲みながら歩いた。

8 痕跡

【写真左】
羆の足跡。ガイドによると、体長3m300kgの大物。10分前に通過とのこと。この後、全方位を警戒しながら移動となる。
遭遇しなくて、良かったが、近くにいた。

【写真右】
エルクの新しい糞。確認した後は、靴で踏んで人が見た痕跡を残す。
ウンコ踏み係は、勿論、コミネ。それは人間の匂いを消すテクでもあるのだ。

9 生還

車が見えると元気ハツラツ。
文明に帰還したと安心して、笑い顔。
さっきまでのかっこ悪さは気にしない。
生きて戻れれば最高の成果。まずは、自分の命が獲れていればいいのだ。
ランボーには勿論なれず。
「生きてもう一度戦える兵隊が最強の兵ですからね」と優しい言葉を飯柴大尉から頂いた。

10 付録 狩猟道具 鹿笛

【写真左】
鹿笛を吹くコミネ。
笛には、「こらっ!ワシや、喧嘩したんぞ」と雄に喧嘩売る笛と、
「私を抱いてぇー」と鳴く雌大鹿の音が出る二種類。

【写真右】 
市街地近くに屯するエルク。撃たれないと思っているので平和に暮らす。
喧嘩笛を吹くと、メスだけが振り向く。
その横の雄のエルクは無視している。
負けたのだ。
修行は一からやり直しだ。


THE END


ページトップへ戻る