around the Professional

瞬間を切り取り、どんどん捨てていく演出術
この4月で15年目を迎えた『ナイナイのオールナイトニッポン』で、神田は10年にわたりディレクターを務めてきた。にもかかわらず、「オールナイトニッポンの思い出は?」と聞くと、彼は「ありません」ときっぱり断言する。

「岡村くんも僕も全部忘れちゃうんですよ(笑)。割とおじいちゃんに近いので、番組でも同じ話を何回もして『その話は前に聞きました』とかリスナーからハガキを貰ってましたけど。でも、本当に思い出がないんです。どんどん過ぎて、どんどん放って捨てていってたんですよ。ただ、放送なんてそういうものじゃないかって、ナイナイとやるたびにずっと思ってました。この瞬間を切り取って、どんどん捨てていくことの楽しさ。それは『めちゃイケ』みたいにどんどん作っていく楽しさとは全然違う、ラジオならではの楽しさだと思うんです。執着しないっていうのがいいんでしょうね。今この瞬間、このメンバーでこれをやれているということ。それが日々続いているだけで、執着すること自身には意義はないと僕は思ってましたね」

 神田のその「捨てていく」姿勢は、彼ならではのラジオ演出術みたいなものに基づいていた。と言いきっても、まあ、いいかもしれない。

「僕もリスナーと同じ立場で番組を聞きたいという思いが凄く強かったんです。ラジオのディレクターって、一番上手くいっている時は、最高のリスナーになれてる時だと思うんですね。例えば、『めちゃイケ』でこういうことをやってるんですって言っても、僕から裏話を聞くことは基本的になかったですし、岡村くんも僕にそういうことは一切言わない。だから僕は、ずっとリスナーと同じような気持ちでいれたんですよ」


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