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ナイナイの担当にはなりたくなかった
『ナインティナインのオールナイトニッポン』で初代ディレクターを務めた神田比呂志は、実は『松任谷由実のオールナイトニッポン』を担当したいと思っていた。

「それまでは昼の番組を担当してたんですけど、入社して3、4年経った時に、夜もやることになったんですね。で、オールナイトもやってみろという話になって。最初、松任谷由実さんとナインティナイン、どっちがやりたいって聞かれたんですけど、踊ったりキャーキャー言われたりしていて、天素(吉本印天然素材)があまり好きじゃなかったんですよ。だから、絶対にユーミンがやりたいという話を会社にしたところ、ではナインティナインをやってくださいと言われ(笑)、担当をすることになりました」

 その後、神田は福山雅治やaikoのオールナイトニッポンでもディレクターを務めるが、彼が演出したオールナイトニッポンのスタイルは、ナインティナインとのやりとりを通じてでき上がっていったものだという。

「ナイナイは大阪でもラジオをやってましたけど、大阪のラジオだと芸人さんがいて、そこに笑い役の女の子がいて、そのことによって明るい感じが伝わっていくんです。でも、オールナイトニッポンは、基本的にパーソナリティ以外の人をスタジオに入れないから、笑い役の女の子もいなくて、男ふたり全然楽しくなさそうなんですよ(笑)。

 それで最初にお願いしたのは、オープニングのフリートークですね。彼らは大阪のスタイルで、その時思いついたことを喋るのがラジオだと思っていたんです。でも、僕は1週間にあったおもしろいこととか、今気になることとかをきちんとトークの形で聞かせてくださいってお願いしたんですね。今で言う『すべらない話』と同じように。

 ラジオのパーソナリティって2種類いて、伊集院光くんみたいな人は、事前にスタッフにガンガン話して、ウケたものを放送に返していくんです。一方、ナイナイは一切スタッフに言わないで、新鮮な感じで話していくタイプだったので、事前にオチのキーワードだけ聞かせてもらって、それが話に出た瞬間にCMに行くと。そういう、割ときっちりやるスタイルを、2年くらいかけて少しずつ作っていきましたね」


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