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現在はラジオの仕事を離れ、フジテレビでイベントのプロデュースなどを手掛ける神田だが、「こんなに楽しいメディアはないと思いますよ」と言って、ラジオの魅力を嬉しそうに話してくれた。

「テレビで数字というものを相手にすると、自分たちが面白いと思ったコントをやっても数字が取れなくて、例えば食べ物をやると数字が取れるという状況に、『どうなの?』って思うと思うんです。数字と面白さの比例について、みんないろいろ考えると思うんですね。その点、ラジオというのはものすごくストレートで、面白かったら面白いですってたくさんのメールやハガキが返ってくる。ライブなんですね。今、インターネットなんかの影響でラジオのファンがどんどんいなくなってるのが凄く寂しくって。でも、生放送のほうが絶対楽しいんですよ。やっぱり声で伝わるものの凄さってありますからね。あと、匂いとか温度とかもラジオでは伝わりますから。今、ラジオを離れて、普通に家で寝る前にラジオをつけるじゃないですか。こんな環境でみんな聞いてるのかと思って、なんかしみじみしますけどね」

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この4月で15年目を迎えた『ナイナイのオールナイトニッポン』で、神田は10年にわたりディレクターを務めてきた。にもかかわらず、「オールナイトニッポンの思い出は?」と聞くと、彼は「ありません」ときっぱり断言する。

「岡村くんも僕も全部忘れちゃうんですよ(笑)。割とおじいちゃんに近いので、番組でも同じ話を何回もして『その話は前に聞きました』とかリスナーからハガキを貰ってましたけど。でも、本当に思い出がないんです。どんどん過ぎて、どんどん放って捨てていってたんですよ。ただ、放送なんてそういうものじゃないかって、ナイナイとやるたびにずっと思ってました。この瞬間を切り取って、どんどん捨てていくことの楽しさ。それは『めちゃイケ』みたいにどんどん作っていく楽しさとは全然違う、ラジオならではの楽しさだと思うんです。執着しないっていうのがいいんでしょうね。今この瞬間、このメンバーでこれをやれているということ。それが日々続いているだけで、執着すること自身には意義はないと僕は思ってましたね」

 神田のその「捨てていく」姿勢は、彼ならではのラジオ演出術みたいなものに基づいていた。と言いきっても、まあ、いいかもしれない。

「僕もリスナーと同じ立場で番組を聞きたいという思いが凄く強かったんです。ラジオのディレクターって、一番上手くいっている時は、最高のリスナーになれてる時だと思うんですね。例えば、『めちゃイケ』でこういうことをやってるんですって言っても、僕から裏話を聞くことは基本的になかったですし、岡村くんも僕にそういうことは一切言わない。だから僕は、ずっとリスナーと同じような気持ちでいれたんですよ」


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『ナインティナインのオールナイトニッポン』で初代ディレクターを務めた神田比呂志は、実は『松任谷由実のオールナイトニッポン』を担当したいと思っていた。

「それまでは昼の番組を担当してたんですけど、入社して3、4年経った時に、夜もやることになったんですね。で、オールナイトもやってみろという話になって。最初、松任谷由実さんとナインティナイン、どっちがやりたいって聞かれたんですけど、踊ったりキャーキャー言われたりしていて、天素(吉本印天然素材)があまり好きじゃなかったんですよ。だから、絶対にユーミンがやりたいという話を会社にしたところ、ではナインティナインをやってくださいと言われ(笑)、担当をすることになりました」

 その後、神田は福山雅治やaikoのオールナイトニッポンでもディレクターを務めるが、彼が演出したオールナイトニッポンのスタイルは、ナインティナインとのやりとりを通じてでき上がっていったものだという。

「ナイナイは大阪でもラジオをやってましたけど、大阪のラジオだと芸人さんがいて、そこに笑い役の女の子がいて、そのことによって明るい感じが伝わっていくんです。でも、オールナイトニッポンは、基本的にパーソナリティ以外の人をスタジオに入れないから、笑い役の女の子もいなくて、男ふたり全然楽しくなさそうなんですよ(笑)。

 それで最初にお願いしたのは、オープニングのフリートークですね。彼らは大阪のスタイルで、その時思いついたことを喋るのがラジオだと思っていたんです。でも、僕は1週間にあったおもしろいこととか、今気になることとかをきちんとトークの形で聞かせてくださいってお願いしたんですね。今で言う『すべらない話』と同じように。

 ラジオのパーソナリティって2種類いて、伊集院光くんみたいな人は、事前にスタッフにガンガン話して、ウケたものを放送に返していくんです。一方、ナイナイは一切スタッフに言わないで、新鮮な感じで話していくタイプだったので、事前にオチのキーワードだけ聞かせてもらって、それが話に出た瞬間にCMに行くと。そういう、割ときっちりやるスタイルを、2年くらいかけて少しずつ作っていきましたね」


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