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2007年07月

Text by Rikukawa,Satoshi
Photo by Sarukawa,Toshiki & LIVE ERATH Official Photo


去る7月7日に行われた『LIVE EARTH』。
これは元・アメリカ副大統領のアル・ゴア氏が提唱者となり、地球温暖化防止を訴える全世界規模のライヴイベント。

開催都市は、ニューヨーク、ロンドン、上海、千葉、京都、シドニー、ハンブルク、ヨハネスブルク、リオデジャネイロの8カ国9都市で、SAVE OUR SELVES(SOS=自分自身を救え)を合言葉に約100組のアーティストが演奏を繰り広げた。

今回は、元気ロケッツ、RIZE、絢香、大塚愛、AI、Xzibit、abingdon boys schools、Cocco、LINKIN PARK、倖田來未、RIHANNAらが登場した幕張メッセのライブを取材。特に強い印象を残し、KING的にオススメな4組のアーティストについて簡単ながらライヴレポートをしていこう。


『LIVE EARTH』にふさわしいオープニング

幕張メッセでのオープニングを飾ったのは元気ロケッツ。
元気ロケッツと聞いても馴染みのない人が多いかもしれないが、2006年に1UP.comPやYouTube、Myspaceといった有名動画サイトで突如ミュージックビデオが流され、ネットを中心に話題となったアーティストだ。その詳細はベールに包まれており、ボーカルを務めるLUMIという女の子は “宇宙で生まれ育った30年後の17歳”という設定で、詳細は一切公開されてはいない。

デビューライブとなったこのLIVE EARTHでも、その全容が明かされることはなく、ライブは宇宙に住む彼女がホログラムとしてステージに登場する演出となった。

1曲目の“Heavenly Star”が終わりLUMIのMCが始まると、彼女は宇宙から語りかけた。宇宙から見た地球に国境はないことを。この地球の奇蹟のような素晴らしさを。その地球で68億もの人間が共存していることの素晴らしさを(ちなみにこのとき流された地球の映像は国際宇宙センターで撮影された世界初公開の映像だった!)。

まさにNo Borderを体現しているLUMIの語りかけに、オーディエンスは不思議な感覚に包まれる中、地球温暖化という問題が、いかに大切で身近な問題であるかを実感したのではないだろうか。

さらに2曲目の“Breeze”を終えると、今度は発起人であるアル・ゴア氏がホログラムで登場するという心憎い演出。ホログラムとはいえ、アメリカにいたはずのアル・ゴア氏が登場したことは、このLIVE EARTHが全世界で開かれるライブイベントであることを改めて思い起こさせてくれ、LUMIが語ったNo Border=世界はつながっていて、LIVE EARTHを通じて日本にいる僕らが世界中の人たちとつながっていることを体感させてくれた。

わずか2曲のセットリストではあったが、LIVE EARTHのオープニングを飾るに、これ以上ないほど、ふさわしいステージングだったことには間違いない!!

○セットリスト
Heavenly Star
Breeze


vol.2 “RIZEing Sun From Far East!”のストレートなメッセージ
vol.3 今も環境問題と戦い続けるディーバの強烈なメッセージへ
vol.4 あわやショー中止! フルスロットル・ノンストップの幕張ハイライトへ
vol.5 終わらない『LIVE EARTH』へ


Text by Rikukawa,Satoshi
Photo by Sarukawa,Toshiki & LIVE ERATH Official Photo


続いてレポートをお届けするのはRIZE。

SEが流れる中ボーカルのJESSEが登場する。この前に登場した元気ロケッツのLUMIと同じ動きを繰り返し、あたかもこのJESSEもホログラムではないかと思わせるお茶目なパフォーマンスでステージの幕が開く(RIZEと元気ロケッツ・サイドはとても仲がよく、一緒にアイディアを出しあって決まった演出らしい)。

今や日本ロックシーンに留まらずワールドワイドに活躍する彼らは、のっけからエンジン全開。
LIVE EARTHのために作られたかのようなリリックが散りばめられた“神”と” “American Hero”というパンチの効いたハードチューンでオーディエンスのボルテージを一気に高めた後、新曲である“MORAL”を披露してくれた。

ご存じの方も多いと思うが、このRIZEは、ちょうど2年前の2005年7月に、LIVE EARTHのモデルにもなった『LIVE 8 JAPAN』のトップバッターとして登場している。その経験からくる貫禄とでもいえるだろうか、2度のMCでは独特の言葉使いで「地球を守ろうぜ!」と訴え、ボーカルのJESSEはステージを降りてオーディエンスのすぐ側まで近づいて熱唱するなど、音楽が持つメッセージ性の強さと彼らの持つ熱い魂を体現してくれた。

それはセットリストにも現れていて、目を背けたくなるような事実を真っ向から伝える“神”に始まり、未来の平和を訴える“heiwa”へとつなぎ、そして極東の地・日本から世界へメッセージを発し続ける、RIZEの確固たる意思を表明する“FAR EASTERN TRIBE”で占めるという流れは、RIZEがオーディエンスに伝えたいことをより明確かつ強固にしてくれていた。

○セットリスト

American Hero
MORAL
ピンクスパイダー
heiwa
Stand Up
FAR EASTERN TRIBE


vol.1 『LIVE EARTH』にふさわしいオープニングへ
vol.3 今も環境問題と戦い続けるディーバの強烈なメッセージへ
vol.4 あわやショー中止! フルスロットル・ノンストップの幕張ハイライトへ
vol.5 終わらない『LIVE EARTH』へ


Text by Rikukawa,Satoshi
Photo by Sarukawa,Toshiki & LIVE ERATH Official Photo


続いてピックアップしたのは、突然の活動休止から復活したCocco。

Coccoはかつて「沖縄の女に戻ります」と言い残し、音楽活動を休止したことがある。
完全に活動を休止したわけではないが、その理由について、噂も含め、いくつか漏れ伝わるものはあるものの、推測の域を出ないまま今日まで年月が経過していた。

もともとCoccoは歌手になりたいわけではなかった。夢はバレリーナだったが叶わず、歌手としてブレイクした後も、歌手としての自分に自信が持てなかった。事実、活動再開前まで地元沖縄でライブを開いたことがない。それは沖縄の人々が自分の歌を受け入れてくれるか自信がなく、沖縄の人に認めてもらうだけのことを歌で伝えられないと感じていたかららしい。

しかし、そんな自分と向き合い、沖縄と向き合うことで得た自信は以前にも増して歌手Coccoを魅力的にしているとともに、歌に込められたメッセージもより強烈なものにしたように思う。それが最も現れたのが、“ジュゴンの見える丘”の前に語ってくれた話だ。

沖縄には“ジュゴンの見える丘”という場所があり、その一帯に米軍基地が建設されることが決まり、反対派が多くいる中、それによって恩恵を受ける賛成派もいて、政治のパワーバランスによって建設が開始され、そんな理想と現実のギャップを前に、大人の世界というものも仕方がないのか、と認めてしまいそうになる自分がいて、でもある日ジュゴンが2頭帰ってきてくれた話。

彼女は時折目頭を押さえながら、声を震わせながら話していた。そして「2頭のジュゴンのためだけに歌います」と歌い始めた。

それまでの盛り上がりから一転、水を打ったように静まりかえる場内。沖縄という、同じ日本の一都市のことですら、身近に感じることができていなかった僕ら。「2頭のジュゴンのためだけに歌います」という言葉を聞いて、Coccoが大事な問題に対して正面から向き合っていない僕らに対して、ネガティブな感情を持っているのではないか?と思うと少し居心地悪い思いがしてしまった。

テクノロジーの進歩でさまざまな表現方法ができるようになっている今、もしかしたら、歌だけで何かを伝えることはもう難しくなっているのかもしれない。それでもステージに立つことを選んだCoccoの姿は、かつて、アメリカのN.Y.マジソンスクェアガーデンで開かれた『ボブ・ディラン/デビュー30周年記念トリビュートコンサート』で、敬虔なクリスチャンでありながらキリスト教を痛烈に批判し、大ブーイングを浴びながらもステージに立ち、数万のオーディエンスに一人対峙していたシンニード・オコナーのようでもあった。

“ジュゴンの見える丘”を歌い終えると何も言わずにステージから去ってしまったCoccoだが、LIVE EARTHが単なるフェスティバルでなく、オーディエンスもまたLIVE EARTHをファッションとして捉えるだけではいけないことを伝えてくれていたように思う。

○セットリスト
強く儚い者たち
Heaven's Hell
ハルヒレホ
小さな町
ジュゴンの見える丘


vol.1 『LIVE EARTH』にふさわしいオープニングへ
vol.2 “RIZEing Sun From Far East!”のストレートなメッセージ
vol.4 あわやショー中止! フルスロットル・ノンストップの幕張ハイライトへ
vol.5 終わらない『LIVE EARTH』へ


Text by Rikukawa,Satoshi
Photo by Sarukawa,Toshiki & LIVE ERATH Official Photo


そして最後にピックアップするは、ショー・ストッパー(実際は最後ではないが)LINKIN PARK!!!!!! もはや細かな説明など一切不要の21世紀をリードし続けるモンスターバンドだ。

ステージ脇のビジョンに“LINKIN PARK”の文字が映されるだけで大歓声が沸き起こり、オープニングソング“One Step Closer”が始まるやいなや、オーディエンスはフルスロットルのテンションでそれに応える。

さながらモッシュ状態になるフロアは、あまりの激しさに設置された柵が前方へどんどんずれていき、NHKの中継ケーブルにトラブルが発生しかけ、2曲目“Lying From You”が終わった段階でショーが一時中断するほどだった。

せっかくの盛り上がりに水を差された形になったが、約10分間の中断を経て再開されたショーは、“Somewhere I Belong” “No More Sorrow”と続き、中断などなかったかのようなハイボルテージで進んでいった。

さて、ショーの途中、ヴォーカル&ギター&キーボードを担当するマイク・シノダが、日本語で環境問題の大切さを訴え、ファンへの感謝の意を表すとともに、今年の11月に日本ツアーを行うことを発表するサプライズが用意されていた。以下は、マイク・シノダが読みあげた全文だ。

「今日は来てくれてありがとう。環境問題は僕たちの世代にとって重大な問題のひとつです。LIVE EARTHやAmerican ForestsとMusic for Reliefなどに参加して、努力すれば大きな変化を起こせると思いました。今年LINKIN PARKは環境に優しいツアーを行う努力をします。それは夏のアメリカでのプロジェクト・レボリューションから始まり、この11月のジャパンツアーに続きます。ご協力ありがとう。そして耳を傾けてくれてありがとう」

ここで出てきた“American Forests”とは1875年に設立されたアメリカで最も古い市民ボランティアによる森林団体で、環境と経済面での重要な役割である木材、森林について、また、自然が人にいかに貢献しているものなのかを訴え、現在アメリカの45州とカナダの地域で151以上の森林保護植林運動を行っている。

そして“Music for Relief”は、LINKIN PARKが赤十字とともに設立した、世界の災害の被災者や世界の温暖化対策などの活動を行っているチャリティ団体で、過去にはスマトラ沖地震の津波被害救済チャリティコンサートやハリケーン・カトリーナによる被害救済チャリティコンサートなどを行っている。

同じく、ロンドンの LIVE EARTHに登場したRED HOT CHILLI PEPPERSはライブ収益の5%を就学チャリティに寄付する活動を続けているなど、海外のアーティストはチャリティ活動を行っている。著名人がチャリティ活動を行うことの意義のひとつには、活動をメディアを通じて世界へ発信することで、一般の人の意識を高めていくということが挙げられ、LINKIN PARKのこういった積極的な姿勢は高く評価されるている。

ショーに話を戻すと、“Numb” “Pushing Me Away” “Crawling”といったお馴染みのセットが続く中、オーディエンスは常に大合唱で、マイク・シノダの表情に笑みがこぼれるシーンがよく見られた。

この、激しいながらもアットホームな雰囲気を作り出せるファンとの距離感は、LINKIN PARKならではだろう。

さらに終盤には“Bleed It Out” “The Little Things Give You Away” “What I've Done”と立て続けにニューアルバムからのパフォーマンスを披露してくれるなど、駆けつけたファンにとって、11月のツアーを前に嬉しいサービスだったはず。
この日登場した11組のミュージシャン中最長となる1時間に及ぶセットリストだったが、むしろ物足りなさを感じさせる幕張ハイライトで、最後までフルスロットルで駆け抜けた1時間だった。

○セットリスト
One Step Closer
Lying From You
Somewhere I Belong
No More Sorrow
Papercut
From The Inside
Numb
Pushing Me Away
Breaking The Habit
Crawling
In The End
Bleed It Out
The Little Things Give You Away
What I've Done
Faint


vol.1 『LIVE EARTH』にふさわしいオープニングへ
vol.2 “RIZEing Sun From Far East!”のストレートなメッセージ
vol.3 今も環境問題と戦い続けるディーバの強烈なメッセージへ
vol.5 終わらない『LIVE EARTH』へ


Text by Rikukawa,Satoshi
Photo by Sarukawa,Toshiki & LIVE ERATH Official Photo


12時から開演され予定を少しオーバーした21時30分に終了したLIVE EARTH@幕張メッセだが、今回紹介した4組以外のアーティストも皆それぞれの言葉で地球温暖化に対する思いを訴えかけていた。

会場には環境団体のブースも出展されていた。環境問題はあっちを立てればこっちが立たずという状況にも陥りやすく、善悪二元論で論じられるものではないが、少なくとも地球温暖化がいかに自分たちにとって切実な問題で、今すぐ対策を始めなくてはいけない問題なのかは実感できたのではないだろうか?

割り箸を使わずマイ箸を使う。冷房の温度設定は28度にする。マイバッグで買い物に行く、タップ式電源に換える……僕らにできることはこれくらいしかないかもしれない。だからといってストイックになる必要はないし、分不相応にやる必要もない。大切なのは一人ひとりが行えばそれは大きな結果へとつながることを信じ、誰かがやってくれることを待つのではなく、自分ができることを進んでやり、そして続けることではないだろうか。

なぜなら『LIVE EARTH』は一日限りのフェスティバルではなく、これからもずっと続けていかなくてはいけない終わりのないフェスティバルにほかならないのだから。


vol.1 『LIVE EARTH』にふさわしいオープニングへ
vol.2 “RIZEing Sun From Far East!”のストレートなメッセージ
vol.3 今も環境問題と戦い続けるディーバの強烈なメッセージへ
vol.4 あわやショー中止! フルスロットル・ノンストップの幕張ハイライトへ


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