日本男子の飲み屋

『ぼくらの2ヵ月戦争―捨てる技術を学ぶのです― の巻』

11月13日

お片づけって、大変なんです。
ぼくの当面の目標はレゴブロックを所定のBOXにしまうっていうことなんですが、
お片づけしようとすると、ついひらめいちゃうのです。
「これとこれ、合わせたらスゴイのできるかも……」
そうなると、もう自分を止められないのです。
そんなこんなで今日はお片づけのお話。

生まれたての赤たんが小生意気なチューボーになっちゃうくらいながーい期間。
15年。
そうなのです。ショット・バーが開店してから改装するまで、
ほっときにほっとかれたアカズの間があったのです。
もともとは、宴会用のお座敷だったお部屋が
「ちょっとここに置いておこっか」から始まり、
いつのまにかおクツを履かないと入れない物置となり、
挙句の果てにはマスクをしないと危険な廃墟へ。嫌われ松子ばりの転落。
パパくんたちの改装工事の最初の難関は
大工ちゃんが現場入りするまでに、10枚の畳のお顔をこんにちはさせること。

『壊してしまぁうのは、一瞬で出来るからぁ
大切に生きてと彼女は泣ぁいたぁぁぁ……』
と歌ったのはレベッカのNOKKOたんですが。
パパくんたちのお片づけ戦争は、そう。
毎日このフレーズをお経のように唱える
「モノが捨てられない」世代代表、戦前生まれのジジくんとの戦いだったのです。
「マスター(ジジくんのことです)、この製図台どうしますか?」
「あぁ、取っておいてくれ」
「じゃあマスター、こっちの大工道具は?」
「あぁ、それも捨てないで」
「……、じゃあこのフロンターレ(地元サッカーチームです。ジジはフーリガン)のポスターは?」
「今度の店に飾るか?」
パパくんの顔が段々と青ざめてくるのです。

「3年使わなかったものは、どんなものでも見ずに捨てる」
これがお片づけの真髄らしいのです。
おムコさん、ここで小さなレジスタンス。
「マスター。新しい店にはこれは必要ありません。置く場所がないので、処分しましょう。」
「処分してください」ではなく「処分しましょう」これが肝心。
“僕も本当はとっておきたいけど、新しいお店のために、一緒に耐えましょう”的な
ニュアンスを込めるのです!
と言ってもそう簡単には伝わるはずもなく、
閉店後から大工ちゃん現場入りまでの10日間は
世代間の価値観のズレと、一向に片付かない荷物と、溜まる一方の疲れと、
廃墟から放出される謎の細菌(ハウスダスト)との戦いだったのです……

それでも、まぁ劇的ビフォーアフター(前編)なのです



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