「レオナルド・ダ・ヴィンチ−天才の実像」展
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現在、東京・上野の東京国立博物館で展示されている「レオナルド・ダ・ヴィンチ−天才の実像」展を見てきました。
展示の目玉は、レオナルド・ダ・ヴィンチが20代前半にてがけ、日本初公開となる『受胎告知』です。
『受胎告知』は、大天使ガブリエルが、聖母マリアにイエス・キリストを身ごもったことを告げるシーンが描かれている絵ですが、絵心のまったくない僕でも、その緻密さと荘厳さに目を奪われ、しばらく見入ってしまいました。
そして、別館にはダ・ヴィンチの手稿をもとに、その後の思索を追う数々の展示物がありましたが、「自分の芸術を真に理解できるのは数学者だけである」と発言した(と伝えられる)のも納得。
他方で、大彫刻家にして、システィーナ礼拝堂のフレスコ画『天地創造』を描いたミケランジェロ・ブオナローティが、ダ・ヴィンチの彫刻を見て「レオナルド・ダ・ヴィンチの彫刻は解剖学的に素晴らしいだけである」というような主旨の批判をしていたりしますが、それも納得。
それほど彼の作品が、いかに幾何学に基づいた物質の解明の上に成り立っているのかが、とても理解できる展示内容でした。
とはいえ、それを原点として、今でいう流体力学などさまざまなジャンルの学問を網羅するまでに至り、かつそれらを作品へと反映させていったレオナルド・ダ・ヴィンチはやっぱり天才なのだなぁと、つくづく感じました。
「レオナルド・ダ・ヴィンチ−天才の実像」展は6月17日まで開催されています。まだ秋じゃないですが、GWに芸術鑑賞と洒落こんでみてはいかがでしょう。
ただ、入館時間にはお気をつけて。展示物がたくさんありますから、閉館間際に行ってしまうと駆け足で見て回ることになってしまいますよ(体験者談)。
K
2007年04月30日 12:00